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「支部感謝会土地供養での学び」

青年本部長 岡野 孝行


 日に日に移り変わる木々の葉のいろどりに秋の深まりを感じつつも、徐々に厳しさを増す朝晩の冷え込みに、冬の足音を感じる季節となりました。空気も乾燥し風邪をひきやすい季節でもありますが、実りの秋のお恵みを感謝の心でいただき、お互い様、心身ともに元気みなぎる日々を送らせていただきましょう。

 先月は‘土地は万霊の墓場である’という、田中本部員の講話での言葉からの学びをお伝えさせていただきましたが、今回はその後日談をお伝えいたします。

 「道路の方もよろしくね」

 10月12日、所属支部である北本宿支部の感謝会前に行った土地供養の際、副支部長である理事長先生よりかけられたお言葉です。      

 最近、あることがきっかけで岡野御本家について調べ直す機会がありました。改めていろいろな文献を確認する中で、金剛伝にある、立教前金剛さまが月に一度東京から北本まで月参りをされたエピソードを読み返しました。

 金剛さまは、立教前に実業家として大きな成功を収められますが、若かりし頃は、事業の失敗や金銭上のトラブル、放浪生活等、ご実家である御本家にも大きな迷惑や心配をかけ、一時的に本家との連絡も途絶えてしまいます。しかし、多くの困難を乗り越え、東京で仕事が軌道にのった明治44年に深夜のお墓参りを始められますが、長いこと連絡すらできなかった本家を訪ねることはできず、門前に土下座し、涙ながらにお詫びをされました。

 理事長よりかけられた言葉を伺った瞬間、そのことが頭の中に蘇(よみがえ)り、御本家の門を出た道路一体の、おそらく金剛さまが土下座をなされ涙されたであろう場所に天茶を撒かせていただきました。到底言葉では言い表すことの出来ない、なにか不思議な感覚に包まれつつも、尊い体験をさせていただいたような気がします。

 御本家の土地は、金剛さまが生き抜かれた様子をも静かに見守ってこられたのだという、土地の偉大さを感じさせられる機会となりました。

 そして、土地は万霊の墓場としてだけでなく、大小さまざまな生命を生み、育み、全てを受け入れ、そして行く末を見届けていただける、正に母なる大地としての存在なのだということを改めて実感し、土地供養の際は、土地にまつわる因縁や先人が込めた思いをしっかりと心に置き臨ませていただかなければいけないのだと心新たにさせていただきました。

 今月号の解脱誌にも書かせていただいたとおり、今月は金剛さまが御生誕・ご遷化された月です。今私たちが生きる現代とは比べ物にならない程の激動の明治から昭和の時代に生き、人心救済にその身を捧げられた、金剛さまのみ心を鑑(かがみ)として、世のため人のためにお使いいただけるよう、お互い様誓いを新たにし実践の月とさせていただきましょう。


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