「石巻慰霊供養にて感じさせていただいたこと」

青年本部長 岡野 孝行

 いよいよ秋本番を迎え、夕暮れ時もすっかりと早まり、澄み切った夜空に星がキラキラと綺麗に輝く季節となりました。

 これから冬に向かって、徐々に気温は下がり、空気が乾燥し、風邪を引きやすい気候となります。食事や睡眠、適度な運動を心がけ、体の免疫力を整え、心身ともに健康な日々を過ごして参りましょう。

 先月お彼岸のお中日にあたる23日に、宮城県石巻の海岸に面する長浜緑地広場にて、東北第二教区主催で行われた、東日本大震災慰霊供養に参加する機会を頂きました。

 出講に岡野理事長を迎え、主催の東北第二教区の会員さんをはじめ、東北第一教区、北海道、新潟、群馬、埼玉、それぞれの教区からも有志の方々がご参加され、本部の諸先生方も加わり、総勢約90名による、厳(おごそ)かかつ、盛大な慰霊供養となりました。

 当日はすっきりと晴れ渡った青空の下、供養塔による10巻の天茶のご供養と同時に、ご参加されたすべての会員さんの手により、たくさんの天茶が海岸一帯に撒かれ、私自身も静かに押し寄せる波に向かい天茶を撒かせていただき、きっと御霊魂もお喜び下さっていると感じられ、とても貴重でありがたい機会となりました。

 東日本大震災より10年が経過した本年、緊急事態宣言や各地自治体による自粛要請下にありながらも、今回のような慰霊供養に参加できたことは、大変な意義のある、そして価値のある事だと感じます。改めて今回の機会を与えてくださった東北第二教区の皆様や関係者の皆様には感謝を申し上げたいと思います。

 供養が終わった後、近くにある石巻南浜津波復興祈念公園に立ち寄らせていただきましたが、そこでも大きな気付きを頂くこととなりました。(この公園については、震災直後に「がんばろう!石巻」の看板が立てられていた場所と言えば、お分かりになる方も多いかもしれませんね。)

 この場所は、震災直後は津波により壊滅的な被害を受けた地域でしたが、今は、広大な公園として整備されており、今回その中心に立てられている、みやぎ東日本大震災津波伝承館にて12分間のメッセージムービーを見させていただきました。当時の様子を映像を交え振り返る映像の中には、被災された何名かの衝撃的なお話も含まれていました。

 ご家族を失ったある男性は津波に襲われた当時を振り返り『あの時、「おい、はやく逃げろ」ではなく「早く一緒に逃げよう」と言えば良かった』と、また、ある若い男性は、「この地域には、過去何度か大きな地震・津波被害があり、先人により多くの碑が残されていた。先人からの教えを尊重し、しっかりと受け止めていれば・・・」と後悔の念を吐露されていました。

 今回の慰霊供養を通し、海岸での天茶を通じて感じたこと、そして、伝承館で被災者のメッセージから受けた衝撃は大きく、震災より10年が経ち、当時のことを決して忘れてはいない、と思っていた自身の心が、風化してしまっていることに改めて気付かせていただきました。御霊魂のお待ちになられる場所に行き、供養をさせていただくこと、震災被害のあった場所、その地域に寄り添うことで、たくさんの気付きを頂けることを学ばせていただく貴重な体験となりました。

 人と人とが寄り添うことを分断するコロナ禍にある今、何を大切にし、何を実践していくのか、本当に大切なものが何なのかを問われている気がします。依然続くコロナ禍はまだ見通しの立たない状況にありますが、金剛さまのみ教えを学ぶ私たちは、常に心に思いやりと、人に寄り添う心を磨き、日々精進して参りましょう。