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宮坂教務局長からのご挨拶

新型コロナウイルスの感染拡大により、諸般の事情を鑑み、第80回三聖地巡拝は本部役職員による代表参拝という形で執り行われました。完遂に際し、宮坂教務局長よりご挨拶を頂戴致しましたので、ともに、拝読し学びを深めましょう。


「変わりゆく世界の中で」

教務局長 宮坂 保徳

 今年の第80回三聖地巡拝は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響で、残念ながら団体参拝を断念せざるを得なくなり、本部役職員22名による代表参拝という形で行われました。

 桜の花に彩られた伊勢の地は多くの観光客でにぎわい、伊勢神宮は参拝者で一杯になります。内宮前のおはらい町も観光スポットとして活気にあふれます。毎年それを当たり前の風景として眺めてきましたが、人のほとんどいない今年の様子はまったく異なるものでした。

 お出迎えくださった神宮の方にとっても、閑散とした今年の光景は初めて見るものだと驚いておられました。

 本会の三聖地巡拝が、戦中戦後の厳しい時代のなかでも中断なく続けられてきたことは、この行事の重要な意義とともに本会の誇りとして語り継がれてきたことですが、今回特に思われたのは、昭和21年4月、占領下で行われた戦後初の巡拝のことでした。占領政策は過酷なものでありましたから、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の監視の目が光っているなかで各聖地に団体参拝することは、教団として危険性のある行為であったに違いありません。

 当時は、伊勢神宮をはじめとする全国の神社は、GHQからいつ潰されるか分からないという恐怖感のなかにありました。そういう空気の中では、神社へ足を運ぶことを誰もが自粛しますから、参拝者数は激減しました。その中で団体参拝をすることは目立つ行為でしょうから、控える方が賢明です。

 しかし金剛さまは、熱涙をもって出発にあたってのご挨拶をなさり、迷いなく巡拝団を送り出されました。この時の金剛さまの御心と、使命感をもって巡拝をされた参加者の信念が、今回しきりに思われたのでした。

 令和の御代を迎え、情報や交通・市場等さまざまな面でグローバル化が急激に進む世界の中での今回のウイルス禍は、新たな危険性を露呈することになったと思われます。何ごとにもメリット・デメリットはあるものですが、これまで軽視されてきた危険性に改めて気づかされたことは、今後のために必要な試練になったと思います。

 前回掲載の一文は2月29日に記したものですが、あれから東京オリンピックが1年延期となり、青年部の三聖地巡拝錬成も来年以降に延期されることになりました。いかなる事態を迎えようとも決してうろたえることなく、柔軟な姿勢と冷静な判断力をもって、この難局を皆で乗り越えてまいりましょう。

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