家族愛と信仰の持つ力 -バイマーヤンジンさんの講演より-

岡野 孝行 青年本部長

 6月9日、所属する埼玉北本宿支部の創立70周年記念感謝会が、御霊地センタービルにて行われました。詳しい話は今回割愛(かつあい)しますが、とても素晴らしい記念感謝会でした。その中でも、特に私の心に残ったのは当日ご講演いただいたバイマーヤンジンさんのお話でした。

 チベット出身のバイマーヤンジンさんは、11人兄弟の9番目として生まれます。標高が富士山より高く、寒い時には-20度にもなる厳しい環境で、村全体は非常に貧しく高校に行ける人などほぼいない環境の中で、両親や兄弟、村民の献身的(けんしんてき)な助けがあり、兄弟の中1人だけ、高校・大学へ進学し幾多(いくた)の苦難を乗り越え、音楽を懸命に勉強し歌手となります。そして、大学を卒業する際に出会った日本人の男性と結婚され、今では日本での生活25年目を迎えられているとのことです。

 すべてが心打たれるお話の中で、今回一番強烈に心に残ったことは、母親が自らの信仰姿勢を通じて、癌になってしまった姉を救ったエピソードです。

 家族を献身的に支えてきたバイマーヤンジンさんのお姉さん(確か上から2番目の)は、肺がんになってしまいます。「自分たちを一生懸命育ててくれたお姉さんがどうして癌に・・」と、かなりショックを受けたそうですが、中国の最先端の治療を施(ほどこ)したおかげで克服できたそうです。しかし、数年後脳に転移してしまい、これ以上家族に迷惑を掛けられないと考えた姉は、家族皆の必死の説得にも応じす一切の治療を拒否したそうです。

 その姿に母親は、唯一自分の出来る事として、険しい山岳地(さんがくち)にあるチベットのお寺を巡り、平癒(へいゆ)の祈願をすることを決めたそうです。足腰が弱まり満足に歩くことさえできない母親に同行した2組の兄妹夫婦からは、連日母親の祈願する様子が、携帯に届いたそうです。一度うつ伏せになり立ち上がる、それを繰り返し祈る姿。しかし母親は一度うつ伏せになると立ち上れる力がなく、兄弟夫婦が抱えて立ち上がる姿を何度も目の当たりにし、姉はついに癌治療を決心したそうです。その甲斐あって、病状は順調に回復し、もう少しで村に戻れる見込みとのことです。

 家族皆がそれぞれを思いやる姿、そして、姉を翻意(ほんい)させた母親の愛と、それが形となって現れた信仰の姿に、自然と涙腺(るいせん)が弛(ゆる)んでしまいました。

 豊かな日本にでは、昨今(さっこん)忘れられつつある家族愛の大切さを学ばせていただきました。 

 今月も家族や隣人を思いやる心を改めて確認し、日々を温かな心で送らせていただきましょう。



バイマーヤンジンさんホームページ(※北本宿支部への出張も掲載されてます)

 → http://yangjin.jp/index.html