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命のルーツ、祖母に感謝

岡野 孝行 青年本部長

 師走(しわす)を迎え、本格的な寒さが身に染(し)みる季節となりました。空気が乾燥して風邪(かぜ)がはやり始める頃ですが、体調管理をしっかりとして心身ともに元気に、令和最初の年末を過ごしたいものですね。

 さて、私事になりますが、去る11月12日に群馬県に住む母方の祖母(そぼ)が霊界(れいかい)入りを致しました。享年(きょうねん)100歳、大往生(だいおうじょう)でした。

 私がまだ小さかったころ、春休みや夏休みになると家族そろって、温泉(おんせん)旅館(りょかん)を営(いとな)んでいた祖父(そふ)祖母のいる母親の実家に遊びに行くのが恒例(こうれい)でした。一日中従兄妹(いとこ)と遊んだり、温泉に入ったり、旅館の一室に寝泊(ねと)まりさせてもらうのはとても楽しく、一度行くと自分の家に帰るのが嫌(いや)で嫌で仕方なかったのを思い出します。

 大人になってからも、長期の休みになると、一人で祖母の家に泊まりに行き、何気ない時を祖母と過ごすことが好きでした。夕方になると祖母を車に乗せて、二人で隣(となり)町のスーパーまで夕食の食材を買いに行ったのも懐(なつ)かしい思い出です。

 祖母は晩(ばん)年(ねん)認知症(にんちしょう)となり、子供(母親らの姉妹)や、私たち孫のことはすっかりわからなくなってしまいました。お見舞いに行って話しかけても誰だかわからない状況でしたが、不思議なことに、そのような状態でも時々昔のことを口にすることがありました。それは、祖母より先に霊界入りをしてしまった、息子たち(私からすると叔父にあたる)3人の事や、たくさんいる孫の中でも特に気に留(と)めて心配をしていた孫の事は、時々名前を口にすることがあり、その様子からは今でも子供や孫たちの事を心配してくれている様子がうかがえました。

 その時はただ、他の事は全く忘れてしまったのに不思議なこともあるのだな、と感じていただけでしたが、いま改めて考えると、安心していることはもう心晴れやかな気持ちとなり、辛いことや心配していることは本能的にいつまでも心に置き、気にかけてくれていたのかもしれません。

 霊界入りしたこれからは、空の上から子孫である私たちの事を気にかけ、大きな愛情で護(まも)ってくれることと固く信じています。そして、生前(せいぜん)頂いた愛情や思いやりに対し、心から感謝のご供養(くよう)をさせていただくとともに、恩返しのために、解脱のみ教えに精進(しょうじん)し、少しでも世の為人の為にお役に立てるよう立派な子孫(しそん)になりたいと新たな決心をさせていただきました。

 私の命のルーツ、おばあちゃん、今までありがとう。これからも見守っていて下さい。

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