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私達の行動で過去の意義付を変えよう

青年本部長 岡野 孝行

 3月に入り、北本・御霊地では梅の花がきれいに咲き誇り、爽やかに漂う梅の香りが、春の訪れを感じさせてくれています。この時期は、三寒四温と呼ばれるように、寒さと温かさが繰り返し訪れ、体調を崩しやすい時期でもあります。お互い様、気を緩めず体調をしっかりと整え、元気に過ごさせていただきましょう。

 さて、3月と言えば、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?

 ひな祭り、花粉症、卒業式、高校野球、お花見、お彼岸・・・等々

 それぞれ、大切にしていること、楽しみにしていること等、あるかと思います。

 本年特に心に留めておきたいのは、東日本大震災発生から10年目の年に当たるという、震災の記憶です。つい先日福島沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生しました。宮城県、福島県では最大震度6強を観測したそうです。近県にお住まいで今回の揺れを体験された方も少なくなかったと思います。3月11日を前に、まさに10年前を思い起こす一つの機会となったのではないかと感じます。

 本会でも3月11日当日、及び支部感謝会にて、各家庭や支部での慰霊のご供養をさせていただく方針となっております。是非、共々に震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、まごころからのご供養をさせていただきましょう。

さて、過去の出来事に対する私たちの心のありようについて、ジャパンハートの吉岡先生が、昨年12月の青年幹部研修にて次のようなお話をしてくださいました。


 過去を変えることはできないが、過去の意義づけを変えることはできる。

 第二次世界大戦後、長きに渡り続いた米ソの冷戦下にあった1962年、ソ連がアメリカの隣国であるキューバに核ミサイル基地を建設しようとしていたことが明らかになり、一気に両国間の緊張が高まり、ついには核戦争勃発寸前までおよんだ。しかし、その寸前で軍事衝突は回避された。(詳しくは「キューバ危機」のキーワードを調べよう!)なぜ核戦争に至らなかったのか。それは、第二次世界大戦での日本への原爆投下によってもたらされた核爆弾の悲惨さ、恐ろしさを人類が知っていたから。そして、人類として二度と決して繰り返してはいけない蛮行(ばんこう)(※1 )だとわかっていたから。つまり、それは原爆の被害者が戦争を止めてくれたことになる。原爆の悲惨さ・苦しさ・悲しさ・虚しさを世界が知っていたからこそ、また、平和の尊さをしっていたからこそ、核戦争の危機を回避できた。


 後世を生きる私たちが、原爆の犠牲者のお霊魂に寄り添い、慰霊の誠を捧げその反省から平和を求める心で生きるなら、原爆や戦争の悲惨さ・苦しさ・悲しさ・虚しさは、私たちの平和の創造につながるのだと、吉岡先生は教えてくださいました。


 今、私たちが苦しんでいるコロナ禍や過去の疫病(えきびょう)、地震・台風などの天災、気候変動や戦争などの人災、全ては大自然から与えられたものであるとともに、私たち人間が行ってきた行動の結果であると言えます。

 つまりは、先人が身をもって教えて下さった震災被害、戦争のような過去の過ちも、私たちの行動でその意義付けが決まるという事です。先日の福島沖地震では、比較的小さな被害にとどまっているとニュース等の報道で見聞きしております。これも10年前の教訓による物質的・精神的な備えをすることができていたからこそだと思います。

 今月は、東日本大震災発生から10年目の月であり、春のお彼岸の月でもあります。ご先祖様をはじめとする先人の労苦を忍び、お蔭様への感謝の心でご供養を捧げ、その恩に報いる心づくりをさせていただく月といたしましょう。


 ( ※1 ) 蛮行:野蛮な行為。

 

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