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「仲間のお蔭様を感じ、未来へ進もう」

青年本部長 岡野 孝行

 ギラギラ輝く太陽と、元気に鳴り響く蝉時雨、本格的な夏が到来しました。

 先日開幕した東京オリンピックで連日繰り広げられる熱戦に、思わず時間を忘れ、テレビ画面に見入ってしまう方々も多いのではないでしょうか。暑さと寝不足には十分注意して、体調を崩さないよう、今月も日々過ごさせていただきましょう。


 去る6月27日に新宗連主催のユースフォーラムに参加をさせていただきました。今回は、そこで得た気付きについてお伝えさせていただきます。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、約90名の参加者が全員リモートという形で行われた今回のユースフォーラムは、アテネパラリンピックの水泳男子400m自由形リレー銅メダリストの、杉内周作(すぎうちしゅうさく)氏を講師にお迎えし、講話、質疑応答、ディスカッションとその内容の全体共有という流れで行われました。

 杉内先生が患(わずら)っている網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)という病気は、網膜に異常がみられる遺伝性の病気で、数年から数十年かけて進行し、杉内先生の場合は26歳の時に発覚し、徐々に視覚が狭くなり、いずれは見えなくなってしまうという病状なのだそうです。

 当日の講話では、病気発覚からパラリンピック出場を目指すことになった経緯と様々なご苦労、パラリンピック当時の思い出、そして、現在一般企業に勤められながらも、地元の障害者水泳チームのコーチや、様々な活動を通じて後輩の指導育成を行われているご経験を踏まえ、「自ら作る共生社会~みんなが生きやすい環境を目指し~」をテーマにお話しくださいました。

 本セミナーの細かい内容に関しては、青年本部モバイルサイトに参加報告が掲載されておりますので、是非そちらもご覧ください。(https://www.gedatsu-seinen.com/post/r3-6-%E6%96%B0%E5%AE%97%E9%80%A3%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%A02021


 講話後の質疑の時間、私は次のような質問をさせていただきました。

 「徐々に進むご自身の病状、そして、いずれは目が見えなくなってしまうかもしれないことに対する絶望感を今までに感じたことがあったか。もしあったとすればそれをどう乗り越えてきたのか。」

 質問に対して、先生は明るく次のように答えてくださいました。

 「確かに、いずれ訪れる自身の将来に対しての不安や絶望感を抱くことは過去にあったし、今もそのような思いに駆られることはある。しかし、同じようにハンディキャップを持ち、共に頑張ってきた仲間の存在を思うと、自分も乗り越えられると思っている」

 この質問をさせていただいた背景には、私自身が2年前に体験した思いがありました。それは、亡くなった父の闘病に寄り添う中で「このまま病状が進めば・・・」と何度も心に浮かび、時には絶望感に涙しながらも、その都度家族で励まし合い、また、多くの方々に心を寄せていただいたお蔭様により、悲しみを乗り越えられたという体験です。

 杉内先生に講話を伺う中で、再度その思いが心によぎり、また、質問に対するお答えにより、改めて私自身多くのお蔭様に支えられ今があることを認識させていただきました。

 私達が日ごろ行っている青年部活動は、金剛さまのみ教えを学ぶことと同時に、仲間の絆を深める中で、様々な活動や体験を通じて成功や失敗を繰り返し、喜びや悲しみを共有し、励まし助け合い、私たち自身が常にその時代に合わせた幸せの道を共に歩んでいくことを、一つの大きな目標としています。コロナ禍により、繋がることが難しい状況の中にいる私達ですが、常に心と心の繋がりを大切に育み、お互い励まし助け合って、明るい未来に向かい進めるよう頑張ってまいりましょう。

 また、本月8月は全国の多くの地域でお盆を、そして15日には76年目の終戦記念日を迎えます。今の日本を築き上げてくださった、先人・ご先祖様を偲び、そして篤く感謝をさせていただく月となります。目に見えるもの、見えないもの、すべてのお蔭様により、生かされている私たちであることを再認識し、感謝報恩の心を養い、その心を日々の行動として表せるよう、日々一歩一歩前に進む令和3年の8月としましょう。



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